インドでは祝祭期に合わせて消費が活発になる傾向にあります。特にヒンドゥー教徒の灯明祭に当たる「ディワリ」(2022年は10月24日)前には、年間を通じ最も消費が活発になるタイミングです。そこを狙ってか、SUV新型の発表が各社から相次いでいます。
インドの自動車シェア50%を占めるマルチスズキからは、2016年3月の発売以来、インドSUV市場でシェア1位に立っている『ビターラ ブレッツァ』の後継モデルを2022年6月20日に発表しました。インド地場企業マヒンドラもSUVに力をいれており、SUVへの注力は日本企業にとどまりません。
インドで更なるシェアを目指して、マルチスズキとトヨタは協業を本格化させています。両社は2017年の業務提携に向けた覚書を締結した後、トヨタの電動化技術と、スズキの小型車技術を持ち寄り、生産領域や電動車の普及などで協業を行っていました。今回は、さらに進んだ取り組みとして、スズキが開発した新型SUVを初めてトヨタから生産を行い、発売されます。また、両社が発表した新型SUVのパワートレーンには、マイルドハイブリッド」「ストロングハイブリッド」が搭載され、協業による幅広い
電動化技術の提供が可能になりました。
スズキ・トヨタ、地場の企業も力を入れるSUV。なぜそこまで力を入れるのでしょうか。
インドの新聞記事によると、インドで2021年9月および7-9月期に販売された乗用車の中で、今まで主力だったハッチバック・セダンを初めてSUVが追い抜きました。その数は右肩上がりで上昇しており、2021年にはハッチバック・セダンの1.3倍以上にもなりました。
SUVの特徴として、車高が高く視野が広い・スタイリッシュ・パワーがある・キャビンスペース等踏まえてコストパフォーマンスに優れていることが高評価につながっていると言われています。また、近年はSUVの小型化により価格が低下していることや、車高が高くパワーがあり走行を楽しめることから道路・交通網の整備が進んでいるインドで「移動するためだけではない車」として人気が上がり、SUVの需要を押し上げていると考えられます。
どんなSUVが人気になっているのでしょうか。ズバリ、コンパクト・車高が高い・スタイリッシュです。
全長4M以下に抑えることで税対策され低価格で提供されるので、コンパクトSUVが人気です。今回マルチスズキ・トヨタの両社から発表された新型SUVも全長3995mmと4M内に収めています。また、人や車があらゆる方向から押し寄せるインドの道路・交通状況を考えると、車高が高く視野が広いSUVは運転がしやすく、また、若者層を中心としたデザインに対する関心の高まりにより、そのスタイリッシュ性の高さがSUV人気に拍車をかけているようです。
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2022年6月に発表されたインドにおける日系企業に関する主なニュースは、
【6月2日】日本電産、電動二輪モーターをインドで今夏生産開始
【6月3日】山梨県、インドでグリーン水素導入調査
【6月29日】眼鏡専門店のオンデーズ、インド最大手の傘下に
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グローバルでパンデミックの影響を受けた観光業、現在のインドの状況は?~日本では7月に入り、夏休みの計画などを久しぶりに立て、楽しみにしている人も多いのではないだろうか。本レポートでは、インド人の夏季休暇やトレンドの変化をお伝えする。人気は国内旅行で、自然や解放された地域での体験型旅行の需要が高まっているようだ。