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■ Pick UP! News
インドといえば、交通量がかなり多く常に渋滞しているイメージがあると思います。筆者の住むデリーでも、メトロが発達している一方で、デリバリーサービスのために運転をする人もいれば、移動手段として融通の利くオートリキシャ、バイクを利用する人も多いため、どうしても交通量が多くなってしまう現状があります。そこで懸念されるのが、大気汚染の問題です。デリーをはじめとするインド北部は冬になると特に大気汚染が深刻になり、PM2.5の平均値が日本の3倍以上にもなります。そのため大気汚染改善のために多くの開発が行われており、インド政府も2030年までに商用車の70%をEV化することを掲げています。
インドのEV普及率は日本より高く、多くのスタートアップ、大手企業が積極的に開発に取り組んでいます。しかし、EVの活用にも課題があります。充電時間が長い、充電ステーションがまだ充実していないなどでEVへシフトできないと考える人も多いようです。
それらの問題の解決策の一つとしてbattery-as-a-service(BaaS)モデルという新しいEVの形が生まれています。
スワップポイントで新しいバッテリーに交換するだけで再度走行が可能になるという仕組みで、長時間の充電が必要ではありません。
また、スワップポイントは充電ステーションのように駐車スペースを必要としないため比較的設置しやすいと言えます。
実際にそのスワップポイントに訪れてみました。
IndianOilのガソリンスタンドにはSun MobilityのSwap Pointがありました。Sun MobilityはIndian Oilとパートナーシップを結び事業を行っています。到着すると、既に3台ほどのバイクが停まっており、次から次へとバッテリーを交換しにバイクが入ってきていました。このバッテリー交換ステーションには管理をしている方がいたため、問題が起きても対応ができる体制が整っていました。実際に1台目のバイクがバッテリーを交換しようとしたところ、エラーが発生し20分ほどかかっていました。2台目は2分ほどで完了。このステーションはフードデリバリ―Zomatoのドライバーが多数おり、管理人の方に話を伺うと商用の2輪車のみ利用が可能とのことでした。Sun Mobilityの公式動画をみると3輪車のバッテリー交換も行っていたため、場所によって異なるのかもしれません。
他にもBattery Smartというバッテリー交換のネットワーク事業スタートアップがあり、三菱UFJ銀行、Panasonicといった日系企業も投資を行うなど、注目が集まっています。このバッテリー交換システムによりデリバリ―サービスなどを行う運転手の平均収入、走行距離が伸びるなどの利点もあります。
EVは環境に優しいものの課題も多く残っています。しかし、BaaSモデルの活用により、さらに利便性が上がっただけでなく、EVの普及が促進されると考えられます。さらにスムーズにバッテリーを交換できるシステムづくりを行うことで利用者が格段に増え、大気汚染も低減されると考えられます。EV市場が拡大するインドでこれからまたどのようなサービスが開発されるのか期待が高まります。
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■ 業界情報
~ユニークなバッテリーソリューションスタートアップ~
発想の転換が様々なソリューションやサービスを生み出す。環境保全の視点からの多様な技術開発も。
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