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インドのペット市場が好調です。日本でもコロナ後のペット業界が活況と話題になりましたが、インドでもコロナ期にペットを迎える家が増え、コロナ後もペット市場は堅調に拡大。インドのペット関連産業は2025年までに1000億ルピーに達すると見込まれています。
スタッフが住んでいるコロニーで散歩されている犬が多いことは、インドに来て驚いたことの一つです。2021年時点でペット人口に占める犬の割合は87.4%と圧倒的に多く、猫は9.1%と、まだ猫を飼っている人は少ないですが、犬の次に人気のペットと言われています。
では、インドのペットショップではどんな商品やサービスを取り扱っているのでしょうか。デリーの近隣都市グルガオンのペットショップ数や客層、実際に訪問して分かったことを紹介いたします!
Googlemapで調べると(2023年6月)、グルガオンの主要駅を中心にした10km圏内には20以上のペットショップが点在しています。駐車場のあるような大きな店舗はなく、建物の1階や地下に店を構えているケースが多いです。店内の構成は犬用が80%猫用が20%が主流で、わずかに鳥や魚の商品が置いているところもあります。店内の商品は価格を抑えた国産もありますが輸入品が多く、客層はペットそのものや関連商品を買える余裕のある富裕層に加え、若い世代も増えています。
訪問したお店の立地は、駅から徒歩でいける場所にありました。グルガオンでも一番広いというお店の店内は清潔感があり、おもちゃや寝具などに加え、PedigreeやRoyal Caninといったグローバルブランドのペットフードも豊富に揃っており、猫用おやつShebaはタイからの輸入品で、日本語表記もありました。
インドでは食品同様、ペットフードにもベジ・ノンベジの表記マークが必要です。宗教上の理由から豚や牛が食されず、インドのノンベジ市場は鶏肉が中心となっていますが、これはペットフードでも同じです。
食品以外では、高額な輸入品のシャンプーやトイレケア製品も販売されており、オリジナルのペットケア商品を使用したトリミングサロンが併設されているなど、ペットにかける支出が総じて高いことがうかがえました。
店内は手前が犬用、一番奥に猫用の品物が陳列。店内に入ってすぐ見えるのは自社商品で、中でも目を引くセール品やギフト商品でした。左手におもちゃや寝具、右手にフードがあり、商品はカテゴリーごとに看板がつけられ分かりやすく整然と並んでいました。
上記とは別のお店では、日本の商品がディスプレイされているのを発見。この店の客層は8割がインド人を占める、といいますが、そんな店でも陳列棚の一番前に置かれており、存在感を示していました。
インドのペット市場はECも好調です。リサーチ企業Research And Markets社の調査によると、コロナの感染対策をきっかけにインドのペットの飼い主は大型店舗ベースの小売店を避け、代わりにECや地元のペットショップを選ぶ顧客が増加し、EC顧客の 47% がパンデミック後も引き続きECからペットフードを購入すると回答しており、ECでの事業展開を推進する企業も多いようです。Amazonなどの大手ECでもペット用品の取り扱いがある一方で、ペット専門ECを開設する企業も複数あり、用品販売だけでなく、ペットのしつけや散歩サービス、ペットホテル、ポートレート作成や記念写真などのサービスも出てきており、ペット産業の裾野が広がっています。
インフォブリッジでは、このような現地での店舗観察とデスクリサーチを組み合わせた市場調査の実施や、様々な市場の新しい動向に関する相談やコンサルティングを通してインド市場進出のサポートを行っております。お気軽にお問い合わせください。
■ インド日系企業関連ニュース
2023年5月に発表されたインドにおける日系企業に関する主なニュースは、
【5月12日】ヤマハ、インドの公立初等学校でリコーダーを使った日本の音楽教育を開始
【5月29日】インドで新アニメ「おぼっちゃまくん」を作る意味
【5月31日】オムロン ヘルスケア インドに新工場を建設
インドのカフェチェーン市場~2022年以降、外資系飲食・カフェチェーンのインド進出が相次いでいる。ターゲットは高価格帯・プレミアムにシフトしつつあり、各社は大都市を中心に展開、さらに今後の成長可能性から中規模以降都市へと、アグレッシブな計画を見せている。